電気蒸気アイロンの歴史と素材
戦後になると、アイロンは熱のみで仕上げるものから、蒸気を併用する電気蒸気アイロンへと移行していきました。
蒸気を用いることで、シワはより短時間で、かつ安定して伸ばすことが可能になります。
この特性により、作業効率や仕上がり品質の向上が図られてきました。
一方で、蒸気を扱うようになったことで、素材には新たな課題が生まれます。
従来の鉄製アイロンでは、水分の影響によるサビが避けられず、耐久性の面で問題がありました。
そのため、当時はサビにくい素材として、銅と錫の合金である砲金や真ちゅうが使用されるようになります。これらの素材は加工性に優れており、ヨーロッパやアメリカと同様に、日本でも広く採用されていました。
しかし、これらの合金は鉄に比べて耐熱性が低く、使用中に反りが生じやすいという欠点がありました。そのため、強度を確保するためには地金を厚くする必要があり、アイロンは重量のあるものとなっていました。重いものでは約8kg、軽いものでも6kg程度とされ、作業負担の大きさが課題となっていました。
その後、サビにくく熱にも強い鋳鉄が採用されることで、強度を維持しながらの軽量化が進みます。これにより作業性が向上し、より幅広い作業者が扱えるようになりました。

さらに現在では、ステンレスなどの素材が用いられ、軽量性と耐久性の両立が図られています。
このように、電気蒸気アイロンは仕組みだけでなく、素材の面でも改良が重ねられてきました。